孤独死の特殊清掃費用において過大請求の被害に遭わないために相場や気を付けるべきポイントをプロの特殊清掃士が解説

 

特殊清掃業界は恥ずかしながら料金関係でトラブルになることが非常に多いといえます。
実際にお客様に金額を提示した際に『こんなに違うんですか!?他に見積もりしてもらった金額と全然違います。』と意見をいただくことがよくあります。金額が安ければいいというわけではございませんが、過大請求の被害にあう恐れもあります。それだけではなく、匂いが全然消えていないから業者を再手配してくださいと不動産の担当者に言われて、私たちに残りの消臭の問い合わせを頂くケースもございます。
既に高いお金を払ったのに更に支払わないといけなくなるなんて時間もお金も無駄にすることになるので避けたいですよね。
そこで今回は孤独死の特殊清掃の費用や気を付けるべきポイントを解説していきます。

孤独死の特殊清掃費用の相場と内容解説

 



 

【2023年6月現在最新データ】日本全国の特殊清掃費用の平均データ


残置物処理費用 原状回復費用
¥235,839 ¥381,111
このデータは日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会が2022年11月に発表した現段階最新の情報となります。こちら
https://www.shougakutanki.jp/general/info/2022/kodokushi.pdf
あくまでも平均の数字となりますが良ければ参考にしてください。
特殊清掃の料金はその家の間取りや、遺品の量、そして遺体の後の状況によって料金は変わりますが、私たちが普段お見積りさせて頂く平均単価もほとんど一緒でした。
決して安い金額ではないですよね。
そこで次は、なぜここまでの金額になるのかを解説していきます。

孤独死の特殊清掃費用はなぜこんなに高いのか

 

特殊清掃は感染症や怪我のリスクが伴う危険な職業

 

特殊清掃は名前の通り普通とは違った【特殊な清掃】になりますので、さまざまな危険が伴います。人の体液にはウイルスや病原菌などの感染症を引き起こすものが沢山含まれています。これらは粘膜や傷口から感染することがあります。なので神経質に清掃をしなければいけません。それだけではなく遺体場所の床の解体をする時などには電動工具も使用しますし、清掃中は匂いがご近所の方のご迷惑にならないように窓も締め切って、搬出は階段を使います。しかも全身防護服の状態です。作業員の中には清掃中に熱中症になることもあります。危険なリスクが他にも数多くあるため決して安くできる事ではないと捉える事ができます。


誰でもできる職業ではないため作業料金が高い

 

やはりこの特殊清掃という職業は人間の死と直結する為、心底やりたいと思って働いている方は少ないと思われます。肉体的にも精神的にも辛い部分はあるので中途半端な覚悟ではできません。しかし、誰かがやらなければいけないことなのでその分給料がある程度の水準までないと誰も働いてもらえない職種なのです。
そのため、特殊清掃の一人当たりの人件費は基本的に2万円ほどかかります。


完璧な消臭、消毒をするためには専用の薬剤や特殊な機器が必要なため費用がかかる

 

死臭という臭いは簡単に消えるものではありません。遺体後の床を綺麗に清掃しても壁や天井、空気中にはまだまだ臭いが残っています。それらをなくすためには専用の薬剤や特殊な機材が必要不可欠です。薬剤に関しては業者ごとに使用する種類が違いますが、特殊な機器に関しては≪オゾン燻蒸≫をするための機器をどの業者も基本的に使用するので必ず見積書の内容を確認しましょう。


場合によっては、発生した処分品の処分代が高くなることもある

 

亡くなられた場所や、死後経過日数、家財の量、そして間取りによっては処分しなければいけない物量が変わってきます。簡単な例で説明します。
(例)
1ルームマンション 3LDKマンション
亡くなられた場所 寝室のベッド 寝室のベッド
死後経過日数 2週間 2週間
家財の量 必要最低限 家具や置物が豊富
処分料金 2~5万円ほど 7万円以上
亡くなられた場所、死後経過日数は同じなのに、間取りと家具の量の違いで処分量にここまで差ができてしまいます。
1ルームマンション 3LDKマンション
亡くなられた場所 キッチンと寝室の間 寝室のベッド
死後経過日数 3週間 1週間以内
家財の量 食品やペットボトルが大量 必要最低限
処分料金 7万円以上 2~5万円ほど
部屋が散乱していて、死後経過日数が長ければ、3LDKの家よりも金額が高くなることもよくあります。1ルームマンションだから処分費用が安くなるという考えは間違ってはいないのですが、高くなることもあるということを理解しておきましょう。


最低でもこれくらい費用がかかると把握しておきましょう

 

孤独死の特殊清掃は今までの経験上、どんなに発見が早く物量が少なかったとしても最低5万円~15万円は清掃料が発生しました。腐敗が進んでいて天井の高さまでゴミ屋敷状態だった場合は100万円を超えることもありました。


特殊清掃費用を抑えるためのポイントとは。

次は、特殊清掃にかかる費用を少しでも抑えるためのポイントを解説します。

ぼったくり業者が多い業界、被害にあわないためには


相見積もりをしましょう

特殊清掃は冒頭でもお話ししましたが、高額請求されるといった被害が後を絶ちません。
そうならないようにするためには、相見積もりを3~5件取ることを強くお勧めします。
1つの業者のみだけに見積もりをしてもらうと、それが高いのかどうかも分からない状態に陥ってしまいます。見積もりは基本的にどの業者も無料で実施しているので直接問い合わせて確認をしてください。


見積書内容、清掃の一連の流れを聞いておく

どの業者も必ず見積書を作成するのですが、一通りの説明は必ず聞きましょう。
疑問に思うことは全て聞き、そこで丁寧に説明してくれる業者と、めんどくさそうに説明、または説明できない業者に分かれます。その対応力にもしっかりと目を向けることが重要になってきます。
そして清掃の一連の流れを聞き、それ以上の処置が必要になった場合は連絡をもらえるように話しておきましょう。最初の見積書では20万円だったのに、勝手に連絡もなく追加で手を加えて最終的に50万円の請求をされるというのが悪徳業者のよくある手口です。


可能であれば貴重品を先に見つけておく

 

身内が亡くなった部屋に足を踏み入れるのが怖いという方は多くいられると思います。
ですが、依頼者であるあなたは相続に関わっているかと思われます。そこで重要なのは、貴重品や貴金属、現金を探すことです。
近年、特殊清掃業者が部屋の中にあった多額の現金を無断で持ち帰るといったニュースがいくつか取り上げられています。そういった被害に遭わないためにも業者に来てもらう前にご自身や親族の方々と遺品整理をすることをおすすめします。

 

まとめ

プロの特殊清掃業者と名乗る悪徳業者が多いこの業界、一人でも被害者が減ることを思ってこの記事を作成いたしました。最後まで読んでいただけた方は孤独死における特殊清掃の相場が分かっていただけたかと思います。日本特殊清掃センターはこれからも真心こめて一人一人のお客様の気持ちに寄り添い、ご満足いただける特殊清掃サービスをご提供することをお約束いたします。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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