飛び降り自殺現場に遭遇した際に取るべき行動と、特殊清掃のプロによる清掃手順の解説

 

飛び降り自殺現場に遭遇した際に取るべき行動と、特殊清掃のプロによる清掃手順の解説

 

飛び降り自殺現場に遭遇した際に取るべき行動

こんにちは、特殊清掃センターの村上です。

近頃気温の上昇により、熱中症にかかる方が増えてきました。

私は過去の作業中に熱中症にかかったことがあり、かなりつらかったのを思い出します。

読者の皆さん水分補給を怠らないように気を付けてくださいね。。

年々増加している飛び降り自殺、特殊清掃センターには飛び降り自殺の特殊清掃の問い合わせ数が増加しております。

警察は検視、遺体の回収しか行わないため、肉片や体液の清掃は我々特殊清掃士の業務になります。この事実を知らない方が多くいられるため、今回は『飛び降り自殺現場に遭遇した際に取るべき行動』について記事をまとめております。

飛び降りた現場の場所が自分の所有する敷地や駐車場だと、まずは持ち主が対処しないといけません。同居人がいた場合はすぐに同居人の方に特殊清掃業者を手配してもらえばいいのですが、独り身の方だと遺族を特定するのに時間がかかるので、特殊清掃後に管理会社から遺族に請求する形になるのがほとんどです。

そこで最速で効率良く現状回復ができる手順を解説していきます。

 

①まずは警察に連絡

これが第一優先です。まずは落ち着いて警察側からの指示に従いましょう。

飛び降りた方の安否確認は大事ですが、高い確率で意識は無いでしょう。

管理会社の方は遺族の方と連絡が取れるように警察に相談しましょう。

警察の指示の中で救急車の手配が完了するので救急車の手配は省略いたします。

電話をする際には現地の場所をスムーズに伝えることができるように、あらかじめ住所やマンション名を確認しておきましょう。

 

②特殊清掃業者の手配

え、もう手配するの?と思った方もいられると思いますが一番時間かかるポイントはここです。理由は2つあります。

1つ目は特殊清掃業者のスケジュール事情です。基本的に特殊清掃業者は毎日スケジュールが埋まっていることが普通です。特に信頼と実績が豊富な特殊清掃業者は問い合わせが多い為、すぐに来てほしい時に来てもらえないといったケースも少なくありません。なので事前に見積もりの予約をする必要があります。

 

2つ目は数ある特殊清掃業者の中から【飛び降り自殺現場の特殊清掃方法の知識がある業者】を見つけることがかなり難しいからです。

特殊清掃は主に室内で亡くなられた故人の跡の清掃が基本となりますので、室外にて亡くなられた方の特殊清掃は特殊清掃の中でも更に特殊な部類になります。

もし、知識が無い業者に依頼すると、飛び散った全ての肉片の回収や室外の死臭の対応が完璧にできず、別の特殊清掃業者を再依頼しなければいけなくなる可能性があります。

そういったことが起きないためにも、早い段階で問い合わせをすることを強く勧めます。

飛び降り自殺現場の特殊清掃

飛び降り自殺現場における特殊清掃の手順を解説していきます。

もし、実績の無い同業者の方が読まれているのであれば是非参考になればと思います。

 

①肉片の回収

警察が遺体を回収した後、残った肉片を回収します。

 

 

②壁に飛び散った体液の清掃

床から清掃を始めてしまうと、壁から清掃するときにせっかく綺麗にした床がまた汚れてしまいます。特殊清掃は常に効率よく動かなければいけません。

この特殊清掃現場ではすぐそばに自転車置き場があったため、自転車に付着した体液も清掃致しました。

 

③薬剤で洗いながらアスファルトの奥に埋まった肉片の回収

落下した部分が平らなアスファルトではないケースがほとんどです。

隙間に入った体液や肉片もすべて回収しないといけません。

乾いてしまった血液を除去する為の専用の薬剤を使用し、回収します。

この作業は繰り返し何度も行う必要があり、大量の薬剤が必要になります。

体液、及び薬剤は下水に流すことができないので全て回収しなければいけません。

 

④除菌剤の散布

体液の回収後、壁と床の除菌、消毒作業を実施します。

この段階で全ての肉片と体液は全て取り除かれていなければいけません。

臭いだけではなく、衛生面も原状回復することが最低条件です。

 

まとめ

今回の実績の情報を下記にまとめておきますので参考にしていただければ幸いです。

 

22:00 飛び降り自殺

24:00 警察到着、検視の開始

01:30 検視が終了。特殊清掃の見積り開始

02:00 特殊清掃の開始

06:30 特殊清掃完了

 

今回は夜間の特殊清掃となりました。管理会社様から「朝方、住民の方々が動き出すまでに終わらせてほしい」とご要望がございましたので6:30に全ての特殊清掃が完了しました。早い段階でお問い合わせを頂いておりましたので検視から数十分で作業を開始することができました。

 

飛び降り自殺現場の建物の管理者の方、もしくは遺族の方は、早急に原状回復しなければなりません。お困り事、ご相談などがございましたらいつでも特殊清掃センターにご連絡ください。数々の特殊清掃の経験と知識を兼ね備えてたプロが迅速に対応することをお約束致します。

そして近い未来、飛び降り自殺者数が0になる社会を願っております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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