特殊清掃現場で壮絶な光景を目の当たりにした特殊清掃員が語る真実

皆様、こんにちは。特殊清掃センターの村上です。

私たちの日常は、平穏で当たり前のように続いていることがほとんどです。

朝起きてコーヒーを飲み、いつも通りの道を通って仕事へ向かう。

そんな何気ない日々の裏側には、実は私たちがあまり目にすることの無い現実があります。

今回はその1つ、『特殊清掃』についてお話ししたいと思います。

日常では関わることがあまり無い特殊清掃ですが、この記事を読まれている方は少なからず興味、関心や関連があるのでは無いのでしょうか?

 

壮絶な特殊清掃現場の真実を語る

私は今までで数百件以上の特殊清掃を経験してきました。

死後数時間で発見された現場もあれば、死後数か月が経ってからやっと発見された現場、他にも数えきれないほどの経験を積んできましたが、そんな私が一番印象に残っている壮絶な特殊清掃現場について説明をしながら、後半に特殊清掃が必要になった際にするべき事を解説したいと思います。

 

今までのお問い合わせとは違う、電話での違和感

私はその日、あるご依頼者様から特殊清掃のお見積りのお問い合わせをいただきました。

『マンションの他の住民の方から大量の苦情が寄せられていて、早急に対応していただけないでしょうか?』

ご依頼者様の声は電話越しでも分かるほど、非常に困っているご様子でした。

その日私は近くで遺品整理の作業があった為、数時間後にお伺いすることを伝えて電話を切りました。

 

マンションの外からでも分かる壮絶な異臭

車をマンションの駐車場に停めた後、車から降りると直ぐに違和感を感じました。

異臭が強すぎるあまり、室内どころか室外にまで臭いが充満していたのです。

駐車場からマンションを見上げると部屋のベランダが見えるのですが、2階のとある1室のベランダのガラスが真っ黒になっていました。ご依頼者様は下で待機されていたのですが、上に上がるのが怖すぎてこれ以上進めないとのこと。

私は1人で部屋に向かいました。

 

 

異常発生しているハエと蛆虫との対面

玄関に到着後、全身防護服を着用して玄関を開けました。

すると数えきれないほどのハエが部屋から飛び出してきたので、私はすぐに扉を閉めました。部屋の中は想像を絶するほど壮絶な景色が広がっていました。

大量発生しているハエと蛆虫が故人の方の体液を元に増殖していたのです。

部屋のクロスは体液に触れたハエが留まったおかげで斑点模様になっていました。

体液はフローリングの下まで浸み込み、換気扇からハエが自由奔放に出入りしていました。

 

近隣住民が退去されるほどの近隣への影響

実は初めに部屋へ向かった際、エレベーターで引っ越し業者の方とすれ違いました。

どうやら今回の孤独死の影響で近隣の方が住み続けることが出来なくなり、引っ越しの手配をしたとのこと。

同じフロアで住まれていた方々は勿論洗濯物を外では干せませんし、部屋の窓も開けることが出来ません。密閉してても体液に触れたハエが換気扇から侵入してくるとのこと。

こうなると住み続けることが困難になり、近隣の方々に迷惑をかけてしまいます。

極めつけには真下の1階に住まれている方の天井にまで故人の方の体液が浸み込んでいました。

 

臭い、汚れを完全除去するまで

これほどの被害が及んでいる場合、臭いや汚れを完全除去するのは至難の業です。

1階の部屋の天井をくりぬくわけにはいきませんし、体液が浸み込んでいる床の解体も解体部分を慎重に選ばなければいけません。我々特殊清掃センターはその日の夜から朝方にかけて出来る処置を施しました。騒音が大きい電動工具を使った作業は夜中には出来ないので朝まで待ち、特殊清掃は次の日の午前中まで続きました。

作業内容としては家具の全撤去、床の解体、全クロス剥がし、清掃、オゾン消臭、原状回復まで手を尽くしました。オゾン消臭だけは更に1日追加して消臭しました。

始めは上に上がることが出来なかったご依頼者様も、2日目にしてやっと部屋の中に入ることが出来ました。特殊清掃中に発見した個人の方の通帳、印鑑、アルバム、部屋の鍵、スマートフォンをご依頼者様に返却しましたが、それらの臭いは完全に除去することが出来ませんでした。

 

特殊清掃が必要になったら

特殊清掃は同じパターンというものは存在しません。状況はその時によって大きく異なります。数々の経験を積まれた特殊清掃業者でもギブアップするような特殊清掃現場も少なくありません。今後その状況に立ち会う際にパニックにならないようこのページをお気に入り保存、もしくは身内の方や知り合いの方に共有しておきましょう。

 

まずは慌てず、警察へ連絡

何よりも優先するべき事、それは警察への連絡です。

もし、あなたが第一発見者となった場合はまず警察に連絡することだけでも覚えておいてください。ここさえ覚えておけば、後のことは警察の方からアドバイスを貰いましょう。初めてのことで不安だらけだと思いますが、大半の事は警察がアドバイスをしてくれます。身内、関係が深い友人や職場にも連絡をしておきましょう。このとき、遺体の身体や付近の物に触れないように気をつけましょう。

 

特殊清掃業者の見積もり依頼

特殊清掃業者は警察が遺体を回収後、初めて現場に立ち入ることが出来ます。

今はインターネットで調べれば多くの特殊清掃業者を探すことが出来るので、できれば2~3社ほど相見積もり、アドバイスを受けましょう。ほぼ100%の特殊清掃業者が見積もりを無料で実施しております。不安であれば電話でお問い合わせ時に確認しましょう。

 

住居持ち主、または管理会社へ作業内容の確認

特殊清掃業者の方から作業内容の説明を受けた後、その内容を部屋の貸主、地主または不動産会社に連絡して説明をしましょう。

この連絡を怠ったせいでトラブルになるケースは少なくありません。

 

分からないことは電話で専門業者へ確認

特殊清掃に立ち会ったらするべき事というのは、他にも数多くあります。

分からないことは警察に連絡すればアドバイスを貰えると解説しましたが、特殊清掃業者に聞くのも1つの方法です。

特殊清掃に関することでご不明点やご質問等ありましたら、特殊清掃センターにいつでもお気軽にお問い合わせください。

我々があなたの疑問を解決するのだけでは無く、あなたの心のよりどころとなれるよう日々精進して参ります。

この度は最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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